宮下正次ってどんな人

宮下正次

宮下正次 1944年8月22日群馬県みなかみ町(旧月夜野町)生まれ。

元関東森林管理局勤務
「森林(やま)の会」代表・森びとプロジェクト委員会理事・日本熊森協会顧問

1972年 マッターホルン北壁登攀。
1973年 インドヒマラヤ・シャカルベー世界初登頂。
1978年 ロシアパミール・コムニズム峰北面バロートキンルート登頂。
1981年 ロシアカフカズ・ウシバ・エルブルース・ピークフリースペイン・ナックラタウ北壁世界第4登。
1984年 ロシアアルタイ・デロネ北壁世界初登攀。

 

チロル・ピレネー・ドロミテなど多くの海外の山に登る。

日本と世界の森林衰退の実態調査・研究
南極・極渦圏の森林衰退の実態調査・研究
縞枯れの研究
松林再生・松茸復活
ナラ・広葉樹林復活

伝統軸組木造住宅を建築(金物を使わない、500年持つ家づくり)

著書

『野にも山にも炭を撒く』          五月書房              2012.12

『こうすればできる100年住宅』         リベルタ出版            2010.06
『炭はいのちも救う』 リベルタ出版 2005.05
『炭は地球を救う』 リベルタ出版 2002.03
『消える森 甦る森』 東洋書店 1999.08
『写真ドキュメント 立ち枯れる山』 新日本出版社 1997.10
『ブナの放流』 北斗出版

1995.10

コメント(2)

宮下様

過日は松本市四賀で勉強させていただきました。
そのことに関連した文章を書きました。ご覧頂き、御批評ください。

務台俊介

@@@@@@
「炭」による森林と地域再生
(財源として建設国債の活用を)


「炭の力で森を元気に!」との演題で、酸性化した土壌の中和に炭を活用する取り組みをNPO「森林の会」代表の宮下正次氏から伺う機会があった。元林野庁の職員の宮下氏は、自ら全国の山地を歩き回り、松枯れ、広葉樹枯れの真の理由を探っておられる。

宮下氏は、「松茸が採れなくなること」と「松枯れ」の間には密接な相関関係があるとの認識をもっておられる。そして、松枯れの次に起こることは広範な広葉樹枯れ、なのだそうだ。一連の環境現象の中で森林の衰退が起きていることに宮下氏は警告を発している。

政府は、従来、松枯れや広葉樹枯れに対して、「マダラカミキリの影響」、「キクイムシの影響」として、農薬散布、樹幹注入といった対処療法に頼ってきたが、その対策が効果を上げなかったことは、政府自らが松枯れ対策に対して行政評価のC評価を与えたことで証明されているというのが宮下氏の主張である。

全国で日本の松はその60%が枯れ、現在は全国の「ナラ枯れ」の段階に移行しているのだそうだ。遠くから見てナラの梢がグレーに染まり、コナラの梢には葉が付いていないのだそうだ。ナラの樹勢が弱まり、枝の先端にまで栄養物を送れないために起きる現象である。

地域限定であったはずの「縞枯れ」(森林の新陳代謝の一現象)が全国的な広がりを見せるようになったとのことだ。全世界でも同じ現象があり、これらは全て大気汚染、酸性雨の影響だと考えられるとの見立てである。

ブナも弱り、ササも弱り、クロマツも弱っている。梢が弱って松が「松ぼっくり」を作ろうとしている。秋に紅葉するはずのナナカマドが6月に紅葉する。栄養を遠くの枝に送れないために、幹の途中から枝が出てくる「胴ぶき」を起こしている木が目立つ。比較的強いと言われたホウノキが弱っている。山を歩き回る宮下氏の目には、様々な樹木の衰退が否応なしに目に入ってくるのだそうだ

宮下氏は、その原因は、化石燃料を燃やした結果の酸性雨が、雨、雪、霧、風を媒体として土中に入り込み、中和力を失った土壌のミネラルが以前の1/3に減ってしまったこと、強酸性土壌で土壌微生物が生きられなくなったこと、根粒菌と共生する細根が弱り水分・養分の吸収が困難になったことを指摘しておられる。

多雪地帯のPH3の強酸性土壌はまさに死の世界なのだそうだ。PH6であれば土壌微生物が安心して活動できる。WHOでもアルミの健康面での危うさを指摘しているが、PH5.5で土壌中からアルミが溶け出し、PH値が下がるにつれアルミの溶け出す量が増え微生物が生息できなくなる、という因果関係を説明されている。

これに対して宮下氏には処方箋がある。炭の投入により土壌のアルミを吸収するというものである。炭はアルミの害を鎮静化させる機能がある。

宮下氏は実践事例として、前橋市の敷島公園の松枯れ対策を挙げておられた。前橋市は、国推奨の松くい虫防除の様々な対策を使い果たした後、宮下氏の提案により炭、木酢液を土壌に撒いたところ、見事に松が復活したというものである。炭を撒いたことのより、土壌にミミズが集まり、そのミミズを目当てにモグラが集まった。炭により、土壌が中和された(PH6.4)影響により、土壌が生き返り、微生物が再生し、美しい松林の復活につながったという因果関係である。

ナラ林の再生にも炭は利く。桐生市林照寺のモンゴリナラ林1haに2トンの炭を撒いたところ、これまで見たこともない見事なドングリが実ったということであった。モンゴリナラの樹勢が炭で復活したのである。

里山の林から採取できる炭は、化学的に金銀と同じ安定レベルの保持できるというのが宮下氏の解説である。更に人類が困難に陥った際に人類を救ってきたのは炭であったとの解説もあった。毒ガス、環境ホルモン、放射能、ダイオキシンも炭が吸着するのだそうだ。

妊娠した猿は妊娠中毒になるが、猿はその場合、焚火の後の炭を食べる。豚も炭が好物であり、「炭豚」は値段が倍で売れ、群馬の伊香保温泉の小暮旅館は炭豚を使い顧客を集めている。

アトピーは体にたまった毒素の作用だが、炭が体に入ってその毒を吸着するという説の紹介もあった。スズメバチの毒も吸着の事例として、「炭医者」が全身スズメバチに刺された子供を炭の湯船につからせて直ぐに回復した米国での事例紹介もあった。

炭の効用は、体にもそして森林にも幅広く及ぶ。そして、炭の活用は地域経済の振興にもつながり得るというのが話の次の展開である。

現在、中山間地は疲弊し荒廃している。山は荒れ、動物が里にまで下りてきている。山の森林資源を活用することで自前の資源による地域再生も可能となる。その一つが土壌の酸性化で疲弊した山林の復活である。炭の活用はその突破口になる。

宮下氏は、全国の山林の酸性土壌を中和するために全国に炭を撒くと7兆円の費用がかかると試算されている。そして一度炭を撒くと、その効果は「40年」持続する、ということである。

そのように長期に炭の効用が持続するかについては、検証が必要だと思われるが、私は、炭の効用が長期に及ぶのであれば、全国的な「山林に対する炭撒き事業」を大々的に展開し、公費を投入する財源として建設国債の発行を検討することもあり得ると考える。

現在、農林水産省の補助事業として、木を木炭化する施設整備については助成のメニュー(強い農業づくり交付金のうち土壌機能増進資材製造施設の整備、森林・林業・木材産業づくり交付金のうち地域資源最高度活用活性化対策、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金のうち、特用林産物生産施設、リサイクル施設の整備)があり、その経費はいずれも公債発行対象経費であり、その地方分の負担には地方債を充てることが可能である。また、間伐そのものについて、「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」において、起債の特例が設けられて、平成24年度までは一定の範囲で、起債が可能となっている。

しかし土壌に木炭を施す事業そのものについては、国庫補助メニューはみあたらない。地方がこれを独自で実施するとして、その便益が将来に及ぶとしても、地方自治体が地方債を発行できる経費を規定する現在の地方財政法5条(公共施設の整備)に合致するものでもない。

森林を元気にすることは、国家100年の課題である。しかもそれが山林資源を活用して、地域経済振興の観点から容易に実施しうる位置にある。

炭の製造から炭撒きに至るまで、総額7兆円かかると仮定し、10年計画で全国展開をするとして、単年度では7000億円の経費である。国と地方で半分ずつ負担するとしたら3単年度3500億円ずつである。これにより、全国の森林が蘇り、地域経済が再活性化するとしたら、それは必ずしも高い買い物ではないように思える。

山村振興、地域経済振興のために真に必要な施策を真剣に考えなければならない。

宮下さんへ

先日は間伐でお世話になりました。
体力も経験も知識も無いので、逆に足手まといになってしまったのではと思いましたが。
母も私も勝手に楽しませていただきました。
来年も参加できればと思います。

現場に間伐材が沢山ありましたが、
宮下さんがおっしゃっていたとおり、私ももったいないと思いました。
何か活用できないものか?
この問題は日本の林業共通の問題なのでしょうね。

あの日持ち帰ったバームクーヘンは木彫をする友人に渡したましたら、喜んでいました。
あの間伐材をアーティストに提供して作品に使うことはできないのかな、、、などと考えています。

急に寒くなりましたが、お体に気をつけて。
乱文にて失礼します。

Powered by Movable Type 6.0.5